文芸評論?

小谷野敦『反=文藝評論』
タイトルにある文藝評論だとか文壇についてはピンとこないのだが、いくつか面白い文章があった。
特に「七五調と「近代」の不幸な結婚」という文章は、とても重要なテーマに触れている気がした。

以下引用。
「宮 廷の歌合が、うたげのなかから孤心が立ち上がる場だったとすれば、近代の叙情は、元来孤心として表出されたものが、より大きな読者共同体に改宗されてしま うという構造を持っていたのである。……「内なるわたし」は、多くの読者を獲得すればするほど、その内実は乏しくなってゆく」
「「色」の世界においては、唄われる情感は、必ず共同化されるという性質を持っている」

『ノルウェイの森』の徹底批判も面白いが、要は主人公が都合よくモテすぎる、という話。
まあ私も村上春樹他何人かの作家にずっと感じ続けてたことであり、特に目新しい感じはしないのだが。
M.クンデラも同じ、と言ってるあたりは、そうかもと思った。もう少し客観化されてる気がするけど、私の評価が甘いのかな。
なんにせよ、こういう作家の小説を多くの女性が読んで喜んでるのは、本当に謎だ。単に彼女らもモテる男が好きなだけだろうか?


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