韓流おそるべし

韓国のドラマ『フルハウス』をみた。
なぜこんなものを借りて見たかというと、
主演のピ(RAIN)に注目していたからだが、歌手・ダンサーとしてのピについては、また改めて書くことにして、とりあえずは「韓流ドラマ」について。

私は韓流ブームとはほとんど縁がなく、例の『冬ソナ』をちょっと見たくらいだ。
『フルハウス』も、出来のいいドラマとはいえないだろう。
しかし、『冬ソナ』を見たときと同様に、すごく感心した。

なんといっても、制作者の圧倒的なパワーというか、気合いである。
とにかく見ている人を楽しませようという執念、サービス精神が随所に感じられる。
日本のドラマの場合、ときどき、制作者が視聴者のことを忘れて「ひとりよがっている」瞬間がある気がするのだが、それがほとんどないのだ。
そして、『冬ソナ』の場合もそうだが、
このドラマの場合も、視聴者として念頭にあるのは、やっぱり女性だろう。
女性へのサービスという点で、やはり日本のドラマは完全に負けている気がする。
どんなシーン、どんなストーリーが女性をうっとりさせるのか、
それを徹底的に追求した結果、このドラマはリアリズムを逸脱しまくり、
まったくクレイジーなものになっている。
だが、それでいいいいのだ。
とにかく恋愛の一番盛り上がる瞬間をひたすら引き延ばせば、
テレビドラマは成り立つのだという恐るべき事例を見せられた感じだ。
(粗筋としては、主人公の男女は、ひとつ屋根の下で「契約結婚」生活を送るのだが、実は愛し合いながらも、すれ違い、喧嘩を繰り返し続けるというもの。これが16回にわたり延々続く……)
日本でこれに似ているものといったら、やっぱり少女マンガくらいだろう。

しかし一方で、こういうものが成立するのは、
それだけ韓国では男尊女卑が激しく、いろんな意味で差別的な社会というか、
厳しい社会だからかもしれない。
もちろん、日本にそれがないわけではなくて、
日本ではそれを「隠す」「かっこつける」「言い訳をする」ことによって、
つまらないドラマが量産されているように思えてならない。


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