知ってどうする、学んでどうする豆学コーナー



第1回:華麗なる乾燥豆の世界
第2回:ひよこ豆のプロフィール

第3回:ふしぎな豆たち


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第2回:ひよこ豆のプロフィール
知れば知るほど愉快でおいしいひよこ豆の紹介です!

出身地と名前
原産は西アジア。現在、もっとも栽培が多いのはインド。「ヴェーダ」にもその名が登場するほど、インドでは重要な食べ物です。
日本では「エジプト豆」なんて呼び名もあります。
学名はCicer arientium。cicerはギリシア語で「子羊の頭」という意味だそう。世界では他にも「鷹の顔をした豆」「小さい鼻」など好き勝手な名前で呼んでいるようす。
スペイン語で「ガルバンソ(garbanzo)」といい、こっちのほうで知っている人も多いかもしれません。なぜスペイン語かといえば、戦後、メキシコから輸入されて広まったため。ちなみに、「ガルバンゾ(ー)」と英語風に濁ったりのばしたりするのは、あまり好ましくありません。
インドでは「チャナ(chana)」「グラム(gram)」「ベンガルグラム(bengal gram)」など。英語では「チックピー(chick pea)」、イタリア語では「チェーチェ(cece)」。
姿、形、色
ごらんの通り、嘴のような突起があり、ヒヨコの姿にも見えます。この突起は何のためにあるのか、現在調査中です。ご存じの方は教えてください。
色は白もしくは肌色というのが日本では一般的ですが、これは「カブリ(kabuli)型」という大粒種で、おもに地中海沿岸やアメリカ大陸で栽培されているもの。インドなどでは、黒、茶、赤などいろいろな色をしたやや小粒の「デシ(desi)型」が多く生産されているようです。
私見では、ひよこ豆ほど一粒一粒の個性がきわだった豆はないと思います。国産の豆などが形も大きさも見事に揃えられ袋詰めにされているのとは大きな違いです。
私はいまだひよこ豆が畑に育つ姿を見たことがありません。なので、莢のなかにどういうふうに彼らがおさまっているのか、興味津々です。畑に育つひよこ豆が見たい方は下のホームページへどうぞ。
(NOBUONさんによる「ヒヨコマメ」のページ)
食べ方
ひよこ豆の料理法は多様です。日本では甘い煮豆や水煮缶を見ますが、それはほんの一部。たとえばインドではひよこ豆を粉にした「ベサン(besan)」という粉があり、天ぷらのような揚げ物(パコラ)の衣、各種菓子の生地にも使われます。挽き割りにした「ダル」(これについては後にどこかで説明します)も食材としてポピュラーですし、スープなどに多く用いられるのは言うまでもありません。若く青いひよこ豆は枝豆のように食べるそうですし、ひよこ豆を使った豆腐、きな粉なども存在するようです。
中近東でもペースト状にしてコロッケにしたり、煮物に入れたりと大活躍。イタリアでは「パスタ・エ・チェーチ(pasta e ceci)」という「おふくろの味」が知られています。
いずれにしても、ほっこりした歯触りと嫌みのないうま味が特徴でしょうか。
それぞれの料理法については「豆レシピ」のコーナーでどうぞ!

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