虫愛づる父君Ⅰ

copyright by wakisaka fumihiko

ハヤ王の虫類憐みの令にも困ったものである
おふれを破って動物にされた者は数え切れない
姫様そちらは蚊取り線香が効いていませんよ
や ば っ
ねえや、殺しちゃった!

姫様 何ということを!
召使、お前がついていながら何故止められなかった!

どうかお慈悲を…
ならん、鳥の人となれ!
”ソノモノアオキコロモヲマトイテ
コンジキノノニオリタツベシ!”
ねえや!
  ねえやは悪くないわ
  罰するなら私を罰して!
その反抗的な態度萌え!
面白い ミタカの森に入るかね
青バラを取ってくるまで帰れんぞ
…それでねえやを戻してくれる?
毛虫の森に!
王様それはあまりに酷うございます
よかろう、考えよう
わかったわ、行ってきます
なんと、どちらも正気の沙汰ではない
-ミタカの森- 別名「毛虫の森」
ヒサイシ城の北西に広がる虫達の世界である
その最深部に咲くという濃紺のバラを探して
多くの罪人が降りそそぐ毛虫の犠牲となった
毛虫に陵辱される姫の妄想を楽しむのは
ロリコンオタクの国王であった