copyright by wakisaka fumihiko
燕の子:暑いよ〜
燕の母:本当ねぇ
この頃は鴨さんも
部屋に入れてくれないし
燕の子:ギャ―――ッ……!
息子や―――っ!!
燕の父:どうした?坊主は!
燕の母:暑過ぎて倒れた!
燕の医者:熱中症ですな
涼しい所で充分に安静をとらせなさい
燕の両親:ありがとうございました
燕の父:しかしどうしたらいいんだ
涼しい場所なんてないぞ
燕の母:あなた私に考えがあるわ
巣を留守にする間
息子の世話をやってちょうだい
−翌朝 築地魚河岸−
3番 3番 3番 3番
ハイ コーイ コーイ
トーイ トーイ
ポーイ ポーイ
キョーイ キョーイ
あいっきゅうでんですよー
ハイ 4番 4番 4番 4番
ないっすかー ないっすかー
アイッパー アイッパー
イケッイケッ いなーいなー
はじまるでげんそうー
どいた どいたー
多古さん:この鳥め
売り物の魚を盗もうたあいい度胸だ
加賀:多古さん落ち着いて
燕は魚なんか食わねえッス
虫を喰う益鳥なんス
多古さん:いてて・・・加賀ぁ?
加賀:それにあの燕は氷を欲しがってるみたいッスよ
多古さん:ふうん、不思議だな…
加賀:お前さんも暑いのかい
それは魚臭いからこっちの氷にしな
多古さん:行っちまった…
それからというもの
毎朝加賀のところへ燕が現れて
氷をもっていくようになった
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