copyright by wakisaka fumihiko
ティッシュいりませんか〜
一個百円です
ティッシュいりませんか〜
少女:だめだわ セクシーなお姉さんが
無料でティッシュを配っているんだから
売れっこないわ
少女:あー鼻が出てきた
売り物でかんじゃえ
少女:あら、中に紙が入っているわ
”おめでとうございます
あなたは当懸賞に御当選されました
つきましてはめくるめくティッシュ体験を
お楽しみ下さい 花神(はながみ)”
何のことかしら
少女:あ〜とにかく早いとこ
暖かい所に行きたいわ
少女:え?蝋燭…
少女:まあ!暖炉だわ!
少女:ああ なんて暖かいのかしら
少女:あら あかぎれが酷いわね
少女:それにしても何か殺風景なところ…
花の一本も生けてもいいのに
少女:わっ!綺麗なバラがこんなに沢山…!
少女:いい匂い…
少女:でも、ちょっと待てよ
少女:このバラ園、人っ子一人いないわ!
少女:あたしどこに迷っちゃったのかしら
元の場所に帰りたい
見知らぬ声:おやどうしたいお嬢ちゃん
そんなに地べたで泣いて
少女:あれっ…?
老婆:どうしたんだい
少女:なっ、何でもありません
少女:使うと望みの場所へ行ける
ティッシュがあと一枚…
行くことはできても帰ることはできないのね
花神:それでいいんじゃ…