eしんかい200

しんかい200

copyright by wakisaka fumihiko


平成34年 科学技術庁で
有人海溝探査機が開発された
いわゆる「しんかい200」である




「しんかい2000」の後継機となるこの「しんかい200」は
水深200メートルの深さまで潜ることができ
3人の乗組員を乗せて大陸棚や海溝を調査するよう設計された




「しんかい200」が完成した5年後
「しんかい200」を南アメリカと北アメリカの間にある
マリファナ海溝(深さ4586m)に送りこみ
中の様子を調査する計画が立案された




この計画は立案直後に
人道的に許されないという理由で廃案になった




だがマリファナ海溝調査廃案の3か月後
調査隊に予定されていた3人の乗組員は
大西洋沖の科技庁巡航艇から「しんかい200」を
深夜に無断で発船させゆくえをくらませた




事態が明らかになったとき現場にかけつけた船の乗り組員たちは
切断されて置きざりになった延命ロープを発見したのだった




行方不明になった「しんかい200」の
その後が様々に噂されるなか
カリブ海側海岸の河川では
「へんなねっしー」に関する通報が多数確認された










1985年 バミューダ海岸沖で素潜りをしていた
カリブの海女さんが海中で
大きなエンジン音のような音を出しながら
マリファナ海溝付近にもぐる
巨大な影を見たと報告している




これを受けて同庁はようやく
「しんかい200」の追跡調査を開始した




水深4586mのマリファナ海溝に
潜行していると思われる「しんかい200」を
前世代の有人探査機「しんかい2000」で
潜行追跡する計画が立てられた




最大潜行能力の差から
捕獲作戦はまず成功まちがいないと思われた




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