ぴよこ寄贈

copyright by wakisaka fumihiko



呪わしげに私は思う
"早く作業時間よ終れ!"





しかし本当は悪態をつきながら過ごす
この退屈な時間が私は好きなのだ




先生:ここが”ぴよこ”を作る作業所ですねー












先生:−政岡さん!政岡さん?


正岡:あ、ああ今日は遠いところから
栃木の伝統工芸”ぴよこ”の製作を
見に来てくれてありがとう
あとでみんなにはぴよこをプレゼントするので
楽しんで見ていって下さいね






誉めろ誉めろ 俺のぴよこをもっと誉めろ





政岡:どうだい売れ行きは
店長:今日は10個売れたよ





親の子:何か買ってー
子の親:それじゃこのぴよこってのにするか





子の親の子:どーせならピカチュウゲットだぜ!
親の子の親:そうかそれじゃそっちを買おう





店長:あの子はたまたまポケモンファンだっただけだよ!





郵便配達夫:お帰りなさい 手紙がいっぱい来ているよ





政岡:”山田ぴよこ”…?





”こんにちは

私をつくってくれてありがとう
私は山田みちよちゃんの家にもらわれました
だから名前は山田ぴよこです”





”みちよちゃんの家にはロッキーという犬がいて
私はロッキーと大の仲良しになりました
3人でとった写真を送ります

山田ぴよこ”





”こんにちは

私は吉岡勝君の家で
コッコに進化する夢を見ました
勝君に絵をかいてもらったので送ります

吉岡ぴよこ”




”こんにちは

小沢太郎君のおばあちゃんが去年の秋ひろったどんぐりを
太郎君のおじいちゃんが釘で打ちつけて
太郎君が色を塗って
私のミニチュアを作ってくれたので送ります

小沢ぴよこ”





”拝啓

蚊のスピードもまだまだ鈍い時候
いかがお過ごしでしょうか

沢山のぴよこからの手紙驚かれたかと思います
先日の社会化見学のまとめと復習の一環として
生徒達に書かせたものです”



”生徒達もぴよこを大変気に入っている様です
これからも可愛らしいぴよこを作り続けてくださいね

敬具

6年1組担任 鴨島尚子”









先生達:こんなもの贈られてもねえ…



作品一覧に戻る