九郎ひとしを

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九郎と出会ったのは学校の帰り路だった





ケンジ:おい、あのカラス何か変じゃねえか?





ケンジ:近づいても逃げないし弱ってるみたいだ





ヒトシ:パンの残り食べるかな?





ヒトシ:あっ食べた!





ヒトシ:ようし、お前は苦労してそうだから名前は”九郎”!





こうして僕と九郎は友達になった





先生:植木ひとし君、百点です!





先生:こんなこと一生のうち
二度とないでしょうから
交通事故に気をつけてね
ヒトシ:そこまで言うなよ!





ヒトシ:へへ・・・百点なんて初めてだ





ヒトシ:あっ九郎見てみてすごいだろ〜





ヒトシ:わっ!





ヒトシ:テストの答案が!





ヒトシ:待てーーーーっ!





お母さん:嘘つきなさい!本当は0点だったんでしょ
ヒトシ:嘘じゃないよ、百点だったんだけど風に飛ばされたんだ





ヒトシ:今まで探し回ってたんだけど
見つからなかったんだよ
お母さん:お母さんはそんないいわけ信じませんからね!
いいから新聞でもとってきてちょうだい





ヒトシ:まったく理解がないんだから…あれっ?





ヒトシ:ポストに答案がはさまってる!





ヒトシ:いったい誰が…





あれから僕は一度も九郎と会っていないし
テストで百点もとっていない





でも僕は思うのだ





僕たちの友情は百点満点だったと



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