copyright by wakisaka fumihiko
雨の中地蔵たち一行が歩いていた。
「あそこの杉の木の下で
雨宿りをしていこう」
「いやーひどい降りようじゃ」
「石身にこたえるわい」
「しっ、誰かくる」
「ありゃーお地蔵さんが仲良く並んでいるでねえか」
「杉の木がいい雨よけになっとるだよ」
「おっそうじゃ」
「お地蔵さま山でとれたりんごを食べてくんせい」
「じゃ……」
「行ったぞ……」
「あの人間林檎を置いていった」
「どうする、頂くとするか」
「どうだ」
「うん……うまいな」
「雨も小降りになったな」
「行くとするか」
「土砂崩れか……」
「これはひどいな」
「さっきの人間が巻き込まれとるぞ」
「どうする……」
「林檎の礼じゃ、救けて行くか」
「よいしょ よいしょ」
「よいしょ よいしょ」
「はっ……！」
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