白と黒の肖像
Antônio Carlos Jobim – Chico Buarque
ああ この歌はなぜこんなに暗いの?
いやな予感がするよ
ああ またしても同じ道
同じ孤独を 繰り返すばかり
知っているのに
まだ見ぬ恋 古い恋
悲しみ 喜びもすべて
ああ このアルバムにまたひとつ
白と黒のポートレート
愛にはもう二度と
悲しみには二度ともう戻らぬはず
ああまた美しい夜 美しい歌
逃れることもできぬ 胸を痛める
思い出の写真に添えた
小さな愛の言葉と
ああ このアルバムにまたひとつ
白と黒のポートレート
ちょっとふざけた歌い出しにしてしまい、少し反省しています。当時はこの曲ってなんか暗いなあとよく思っていたのです。シコ・ブアルキの歌詞がむずかしくて困ったというか、うっすらと反感もあったのかもしれません。もちろん美しい曲ですが、「黒と白」じゃなくて「白と黒」であるところがポイントであるなど、この詩のなかにはこだわりがたくさんありそうで、やや手にあまります。ジョビンがつくったのはもともとインストゥルメンタルで、タイトルは「ジプシー(Zingaro)」だったそうです。きっと、もっとシンプルな世界観(?)だったのではないかと想像します。
Já conheço os passos dessa estrada
Sei que não vai dar em nada
Seus segredos sei de cor
Já conheço as pedras do caminho,
E sei também que ali sozinho,
Eu vou ficar tanto pior
E o que é que eu posso contra o encanto,
Desse amor que eu nego tanto
Evito tanto e que, no entanto,
Volta sempre a enfeitiçar
Com seus mesmos tristes, velhos fatos,
Que num álbum de retratos
Eu teimo em colecionar
Lá vou eu de novo como um tolo,
Procurar o desconsolo,
Que cansei de conhecer
Novos dias tristes, noites claras,
Versos, cartas, minha cara
Ainda volto a lhe escrever
Pra lhe dizer que isso é pecado,
Eu trago o peito tão marcado
De lembranças do passado e você sabe a razão
Vou colecionar mais um soneto,
Outro retrato em branco e preto
A maltratar meu coração
なるほど!Chico Buarque ブラジルの有名なポルトガル語の作家であった祖父の家族で生まれたChico Buarqueはその遺伝子を活かせて数多くの歌を作っている。が、愛を語る歌から政治や社会的な若い活動についてのテーマ少なくありません。特にその批判的な歌が多いがします。その当時のバックグランドを知らないとなかなか意味が伝わってきません。
こんにちは。仰る通りですね~。愛を語っていても、どこかで政治性や社会性が感じられたり。そういう歌は、日本の大衆音楽にはあまり心当たりがありません。