慎重さについて

島田裕巳『宗教としてのバブル』

バブル時代の話をする人の目は遠くを見ているかのようで、まるで来世を夢見る人のようだね、といった話は、よく飲み会なんかでしたものだ。
それを膨らませるとこういう本が出来るわけだが、
せっかく宗教学者がそれを書くなら、もっと宗教論として徹底的に書いてほしいものだ。
ちょっと物足りない。
オレンジレンジに妙に共感しているあたりが、ウケた。

ジャック・グッディ『食物と愛』
ある意味で上のものとは対照的な本。
食文化、家族、階級など、テーマは広いのだが、全体としては、
「西洋(もしくはイギリスなど特定の地域)文化には●●という特徴があって、それが近代化を促した」
といった主張への反論ということになる。
該博な知識をもって慎重に議論をしていけば、こういう話は大抵自民族中心的なものである、というある意味当たり前の結論となっている。
日本でも最近ときどき、アジアのなかで唯一早く近代化を成し遂げたとかで、
こういう怪しげ文化論を耳にするような気がするなあ。
しかし、慎重なだけに(しかも分厚い)、こういう本はあまり注目を浴びないのだろう。
ユーラシア大陸の東西の違いより、ユーラシアとブラック・アフリカの方が違うぞ、と言われても、そりゃまあそうかも、という感じだろうし。
しかし、食文化や愛、懐疑といったテーマについて書かれた細部はかなり面白い。

ところで、話をバブルに戻すと、
バブル大好きの友人が、「今回のバブルはショボい」と言っていた。
前回よりも、おこぼれにあずかる人の数は圧倒的に少ないということらしいが、
ある意味で冷静な分析である(笑)。


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